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会計 / 設備投資

減価償却の基本:
設備投資が利益とキャッシュに与える影響

2026.07.16

「利益は出ているのに、なぜか現金が残らない」——設備投資をした会社で、よく起きる感覚です。その正体の多くは、減価償却という会計のしくみにあります。難しく見えますが、押さえるべき点はシンプルです。ここを理解すると、利益と資金繰りを分けて見られるようになります。

減価償却とは何か

機械や車両、建物のように、長く使う高額な資産を買ったとき、その費用を買った年に全額まとめて計上するのではなく、使える期間(耐用年数)にわたって分割して費用にしていく——これが減価償却です。1,200万円の機械を10年使うなら、ざっくり毎年一定額ずつを費用として計上していく、というイメージです(実際の配分方法は複数あります)。

ポイント:現金は動かない費用

ここが最重要です。減価償却費は、費用ではあるものの、現金が出ていかない費用です。現金が実際に会社から出ていくのは、設備を購入したその時。以後の減価償却費は、すでに払ったお金を、帳簿の上で少しずつ費用に振り替えているだけです。財布からお金は出ません。

だから、利益とキャッシュはズレる

この性質が、利益とキャッシュのズレを生みます。

だからこそ、利益(PL)と、現金の動き(資金繰り)は、必ず分けて見る必要があります。片方だけを見ていると、判断を誤ります。

減価償却は、現金の出ない費用。利益の話と、キャッシュの話は、分けて見る。

資金繰りでは、利益に「足し戻す」

資金の動きを考えるときは、この関係を逆に使います。利益から出発してキャッシュを見るなら、現金が出ていない減価償却費は、利益に足し戻して考えるのが基本です。ざっくり言えば、本業で生まれる現金は「税引後利益+減価償却費」に近い規模になります(実際は運転資本の増減なども加わります)。この視点があると、返済や次の投資に回せる現金の見当がつきます。

節税の側面も

減価償却費は、現金が出ないにもかかわらず費用として利益を圧縮するため、その分だけ税金を抑える効果があります。ただし、これは「税金の支払いを将来にならして繰り延べる」性質のもので、魔法ではありません。節税だけを目的に過大な設備投資をすれば、現金が先に出て資金繰りを苦しくします。あくまで、投資の中身と回収を主役に判断します。

まとめ

減価償却は、長く使う資産の費用を期間に分ける会計処理で、現金支出を伴いません。だから設備投資をすると、利益とキャッシュの動きがズレます。利益と資金繰りを分けて見る——この一点を押さえるだけで、投資判断の解像度は大きく上がります。設備投資の前に、利益と資金の両面から一緒に試算してみませんか。

よくある質問

減価償却とは何ですか?
高額な設備などを買ったとき、その費用を購入した年に全額計上せず、使用できる期間(耐用年数)にわたって分割して費用にする会計処理です。
減価償却で現金は動きますか?
動きません。現金が出ていくのは設備を購入したときで、減価償却費そのものは現金支出を伴わない費用です。だから資金繰り表では、利益とは別に扱います。
なぜ利益とキャッシュがズレるのですか?
設備の現金支出は購入時に一度に出るのに対し、費用(減価償却)は複数年に分けて計上されるためです。黒字でも、返済や投資で現金が不足することが起こります。

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