成長を目指すベンチャーにとって、数字で経営を回せるかどうかは、スピードを大きく左右します。その土台になるのが、管理会計とKPI設計です。決算のための会計だけでなく、日々の意思決定を支える数字の仕組みを、早いうちに整えておく価値があります。
管理会計は「意思決定のための会計」
会計には2つの側面があります。ひとつは、株主や金融機関など外部に報告するための財務会計(税務申告もこの決算をもとに行われます)。もうひとつは、社内で経営判断をするための管理会計です。財務会計にはルールがありますが、管理会計は自由です。だからこそ、自社の経営に本当に役立つ形に設計する必要があります。
最初に見るべき指標を絞る
KPIは、多ければよいものではありません。指標が多すぎると、どれも中途半端に追うことになり、行動につながりません。大切なのは、本当に効く少数の指標に絞ることです。まずは、事業の成否を左右する数個の指標を見極めるところから始めます。
KPIの設計手順
KPIは、次の順序で設計すると、行動につながりやすくなります。
- 目標を分解する:最終目標(売上・利益)を、それを生む要素に分解する
- コントロールできる指標を選ぶ:自分たちの行動で動かせる指標に絞る
- 先行指標を重視する:結果が出てから分かる数字だけでなく、その手前で動く指標を見る
- 運用を回す:予算と実績を比べ、差の原因を見て次の手を打つ
数字を見る「習慣」を早くつくる
管理会計の効果は、指標そのものよりそれを見て動く習慣にあります。毎月、数字を並べて振り返り、次の一手を決める。この習慣が組織に根づくと、事業が複雑になっても判断の質が保たれます。小さいうちから始めるほど、定着しやすいのです。
KPIは、数ではなく「効くものに絞れているか」で決まる。
まとめ
ベンチャーにとって管理会計は、後回しにしがちで、しかし早く整えるほど効いてくる土台です。意思決定のための数字を、少数の効く指標に絞って設計し、見て動く習慣をつくる。数字で経営を回す仕組みは、成長スピードそのものを支えます。何を指標にすべきか迷う段階から、一緒に設計していきましょう。
よくある質問
管理会計と財務会計は何が違いますか?
財務会計は株主や金融機関など外部への報告が目的、管理会計は社内の意思決定が目的です。管理会計はルールが自由な分、自社の経営に合わせて設計する必要があります。
KPIは何から決めればいいですか?
最終的な目標(売上や利益)を、それを生み出す要素に分解し、そのなかで自分たちがコントロールできる指標を選ぶのが基本です。数を絞り、本当に効くものに集中します。
小さなベンチャーでも管理会計は必要ですか?
むしろ小さいうちから整えるほうが、後で楽になります。事業が複雑になってから導入するより、早期に数字を見る習慣をつくるほうが定着します。