採用の面談で私たちが最初に確認するのは、華やかな経歴でも、特別なスキルでもありません。挨拶ができること。報告・連絡・相談ができること。期日を守れること。この三つを、diffferentは応募要件のいちばん上に置いています。地味に見えるかもしれません。それでも、私たちがここを外さないのには理由があります。
派手な実績より、外さないことが信頼をつくる
コンサルティングの世界では、目立つ実績や難しい専門知識が評価されがちです。もちろん専門性は必要です。しかし、経営者が外部の人間に何かを任せるかどうかを決めるとき、見ているのは提案の切れ味だけではありません。約束した日に、約束したものが出てくるか。都合の悪いことも、早く伝えてくれるか。判断の材料は、そういう日常の側にあります。
期日を守る。報告を欠かさない。小さな依頼にも丁寧に応える。この積み重ねの先にはじめて、「この人たちに任せておけば大丈夫だ」という信頼が生まれます。派手さは一度で消費されますが、基本は毎日効きます。
財務の仕事は、経営者の重い決断に触れている
私たちが扱うのは、資金繰りであり、金融機関との対話であり、事業の計画です。どれも、会社の存続や、そこで働く人の生活に直結しています。経営者はその決断を、たいてい孤独に背負っています。
だからこそ、報告が一日遅れることは、単なる事務の遅れではありません。経営者の判断を一日止めるということです。逆に、状況が芳しくないときほど早く共有できれば、打てる手はまだ残っています。私たちにとって基本の徹底は、礼儀作法の話ではなく、仕事の中身そのものです。
基本は、相手の不安を減らすための配慮
「基本を守れ」と言われると、窮屈なルールのように聞こえるかもしれません。けれど、私たちが基本にこだわるのは、管理のためではありません。相手の不安を減らすためです。
- 挨拶は、その場の緊張をほどき、話しかけやすい相手になるための入口です。
- 報連相は、相手の頭の中にある「どうなっているんだろう」という心配事を減らします。
- 期日を守ることは、相手が自分の予定を安心して組み立てられるようにすることです。
どれも、自分のためではなく相手のための行為です。そう捉え直すと、基本は守らされるものではなく、届けるものになります。
基本の徹底とは、規律の話ではなく、相手の不安をどれだけ想像できるかという話です。
難しいのは始めることではなく、続けること
挨拶も報連相も期日も、一度やるだけならほとんどの人ができます。難しいのは、忙しいとき、うまくいっていないとき、言いにくいことを抱えているときにも、同じように続けられるかどうかです。遅れそうなときほど報告は重くなり、結果が出ていないときほど連絡は後回しになります。
私たちが副業を持たず当社に専属で、原則としてオフィスに出社する体制をとっているのも、この「続けられる状態」を大切にしているからです。目の前の会社に集中できる環境を保ち、顔を合わせて相談できる距離を置いておく。結果として、続けられる人が、より大きな仕事を任されていきます。
基本を守ることと、未熟なまま前に出ることは両立する
ここで誤解してほしくないことがあります。基本ができるようになるまで実務をやらせない、という話ではありません。むしろ逆です。代表の齊藤が繰り返し伝えているのは、「1日でも1秒でも前へ」「30点でもいいから毎日エラーしてほしい。それがあなたの基礎になる」ということです。
土台が固まるのを待っていては、機会のほうが先に過ぎていきます。実力が足りなくても早く現場に出て、うまくいかない経験を毎日重ねる。その失敗の量が、その人の基礎になります。
基本の徹底と、未熟なまま前に出ることは、少しも矛盾しません。むしろ、30点のアウトプットを恐れずに出せるのは、期日を守り、行き詰まりを隠さず報告できる人だからです。基本は挑戦を止めるブレーキではなく、思い切って踏み込むための土台です。
おわりに
私たちが探しているのは、完成された人ではありません。挨拶ができて、隠さず報告ができて、期日を守れる人。そのうえで、30点でもいいから今日一歩前に出られる人です。
基本の徹底は、誰にでも今日から始められて、続けた人だけが差になります。特別な才能を必要としないのに、続けられる人は多くない。だからこそ、当たり前を当たり前にやり切ることを、私たちはいちばん強い武器だと考えています。
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